相続・遺言

相続

相続

相続とは,ある人が亡くなった際,その人(被相続人)の財産ないし債務をその子や妻等,一定の身分関係にある者(相続人)が受け継ぐことをいいます。

相続財産

相続財産とは,被相続人が亡くなった時点において被相続人が所有していた財産のことをいいます。

なお,被相続人に借金があった場合等,債務を負担していた場合には,この借金も相続財産に含まれ,相続の対象となる点に注意する必要があります

相続人の範囲

被相続人に配偶者がいる場合,その配偶者は常に相続人となります

また,相続の順位は,直系卑属(子や孫等),直系尊属(父母等),兄弟姉妹の順になります。直系卑属がいる場合,原則として直系尊属及び兄弟姉妹は相続人にはなりません。直系尊属がいる場合,原則として兄弟姉妹は相続人になりません。

相続にあたって必要な手続

被相続人が亡くなった場合に必要な手続は,非常に多岐にわたります。健康保険・厚生年金に関する手続,死亡届の提出等の手続のほか,相続税が発生する場合には10か月以内に相続税の申告をする必要があります。被相続人の遺言書がない場合には,被相続人の財産をどのように相続人間で分けるかどうか,相続人間で話し合うこと(遺産分割協議)が重要です。

遺産分割方法

被相続人の遺言書がない場合,まずは被相続人間の遺産分割協議によって話し合いを行います(遺産分割協議)。遺産分割協議においては,それぞれ法律上定められた法定相続分に従って,実際の相続財産を分割するケースが多くなっています。

たとえば,妻と子が相続人である被相続人が現金1000万円と1000万円の価値のある不動産を遺して亡くなった場合,相続財産である現金1000万円と1000万円の価値ある不動産を相続人である妻と子で分割します。法定相続分は,それぞれ2分の1ずつですので,単純に分割するのであれば,現金500万円ずつ,不動産については半分の所有権を持つという分割方法が考えられますが,分割方法については相続人の合意があれば通常,その内容に制限はありません。現金1000万円は子に,不動産は妻に分割するという遺産分割をしてもよいことになります。

遺産分割協議の難しさ

遺産分割協議を成立させるのは容易ではありません。

先の例では,不動産は妻,現金は子がそれぞれ相続することで双方が納得しているため問題は生じていませんが,実際にはどちらが何を相続するかについて,話し合いで合意することができず,物別れに終わってしまうこともしばしばあります。なお,先の例では,不動産の価格が1000万円であることを前提としていますが,不動産の価格をいかに評価するかについての問題もあります。

遺言

遺言

遺言とは,生前の遺言者の考えに従って相続人等にご自身の財産を分けるものです。遺言があれば,原則としては,作成者ご自身の考えにそって,財産が分配されますので,万が一亡くなられた場合であっても,残されたご家族の遺産分割の負担を軽減させることが可能となります。

特に遺言がない場合は,各相続人に法定相続分に従った権利が与えられることになりますので,特定の人に特定の財産を残したいとご希望された場合でも,すべての相続人の共有となってしまいます。

このような残されたご家族のためにも,お元気なうちに遺言を残しておくことは非常に有益な方法といえます。

遺言の種類

遺言には,法律上,自筆証書遺言・秘密証書遺言・公正証書遺言の3つの様式が定められていますが,それぞれ定められた法律上の要件が必要となり,要件を欠いた場合は遺言の効力がなくなってしまいます。

自筆証書遺言とは,遺言者ご本人が作成するもので,最も簡単な方式となりますが,発見者による偽造・変造の危険があったり,遺言者が亡くなられた後に家庭裁判所における「検認」という手続きが必要となります。

秘密証書遺言は,遺言自体は遺言者ご本人が作成しますが,公証役場での所定の手続きが必要となり,後述する公正証書遺言と変わりませんし,自筆証書遺言と同様に遺言者が亡くなられた後に家庭裁判所における「検認」という手続きが必要となります。

公正証書遺言とは,証人2名が立会いを必要とし,公証人による本人確認のもと公証人が作成する方式の遺言となり,上記2方式と比べ,手続きが煩雑です。しかし,公正証書遺言の原本は公正証書に保管されるため,後の偽造・変造の危険はなく,死後の「検認」も不要であるため,遺言者ご本人の意思がご家族への財産の分配に正確に反映されることが可能です。また,公証人が作成するものでありますから,法律上の要件を欠いていることを理由として無効になることもありません。

そのため,弁護士にご依頼いただいた場合の遺言の作成は公正証書遺言によるものが一般的です。

この公正証書遺言は,公証人が作成するため記載内容自体が争われることは少ないのですが,その遺言によって円満な相続が実現できることは必ずしも担保されません。

ですので,円満な相続を実現するためには,弁護士にご相談されるとよいでしょう。なお,弁護士に依頼した場合,財産調査から遺言原案,公証人との打合せ等の遺言作成に伴う必要な手続きを一手に行うことも可能です。

遺言者が亡くなられた後に家庭裁判所における「検認」という手続きが必要となります。

遺言作成をお考えの方は,ぜひ当事務所へご相談ください。

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